6.手術の合併症を知ってから手術を承諾しましょう

患者様に,「手術しましょう」というとみなさん嫌がられます.なぜでしょうか?
「お薬で散らせませんか」と聞かれます,なぜでしょう?
外科医は「手術をせずに内視鏡で取れます」と言います.なぜでしょうか?

それは手術をすると合併症の危険があるからです.
患者様が手術を避けたがるのは,本能的に「手術は危険」という防御反応が働くからかもしれません.

手術には危険がつきもの.でも放っておくと今よりも悪い状態になることが分かっているから手術を受けるのです.

ただ,ご安心ください.胆石症の手術で合併症の起こる確率はどれも 1%弱,99人の患者様は遭遇することがないまま退院されます.
このページでは,胆石症の手術で起こりうるほとんどの合併症を書いてゆきます.

読み進めていくうちに,あまりに種類の多さに絶望的にならないでください.起こる確率は非常に少ないのです.

でもある程度合併症が凝る危険性は覚悟していただかなければなりません.
病気を治すために手術を受けなければならない.今後あなたにとって手術をしない危険性と,手術によって生じる危険性,どちらがあなたにとって不利益か,二つを天秤にかけて手術を受けるか受けないか決めていただくことになるのです.

合併症の種類

手術の合併症には

@全身麻酔による合併症
 麻酔をかけずに手術をすることができません.でも麻酔をかけるだけでも合併症があるのです.
 
A腹部手術を行うことによる合併症
 胆嚢はお腹の中にある臓器ですから,それを外に取り出すという操作を行わなければなりません.おなかの中に入るということ自体の合併症があります.

B胆嚢摘出術を行うことによる合併症
 胆嚢は肝臓で作られる胆汁を集める胆管につながる臓器です.そして血管もあります,これらを処理するときに生じる,胆嚢摘出術独特の合併症があります.

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